監修弁護士 伊東 香織弁護士法人ALG&Associates 横浜法律事務所 所長 弁護士
企業が問題社員と相対するとき、慎重な対応が必要となる場面の一つが解雇・雇止めです。
問題社員と一言でいっても、その態様は様々です。
企業が期待した能力水準に達しない、職務遂行の意欲がない、企業の規律を乱す、配転・出向命令違反、チームプレイができない、社内の規律を乱す等々様々なケースがあり得ます。
しかし、問題社員対応でまず意識をしなければならないのは、
①問題社員といっても、その身分は労働法制による保護がなされていること
②特定の問題社員への対応は、他の社員との間でも公正・公平に実施しなければならないこと
の2点です。この、公正・公平について考える上で一つの判断要素となるのが、労働法であり、厚生労働省等の官公庁が公表している各指針であり、裁判例です。
すなわち、問題社員への対応を検討するためには、法律・政令・裁判例についての理解が不可欠なのです。
解雇
解雇は、労働者側への影響が大きいため、労働法制により強く規制されている領域です。またそれだけ規制が強くなされているということからわかるように、問題となる場面は紛争が生じている場面そのものです。
したがって、解雇を検討するにあたっては、法的知識や紛争対応の実務経験が高い次元で要求されます。
また、対応を誤れば、企業のイメージを損ない、採用活動の際に影響がでてしまいかねないため、平時から紛争発生を予防する備えが必要です。
さらに、解雇を巡る裁判例は膨大な数が存在します。人事担当者が個人で裁判例を分析し、自社に当てはまるもの・役立つものを選択し、その意味正しく理解し、自社の案件に役立てることは現実的には極めて困難です。
雇止め
期間を定めた雇用契約であったとしても、単に更新をしないという消極的対応で問題社員と接するだけでは不十分です。 なぜなら、過去に反復して更新されたことがある有期契約の場合には、雇止め(有期雇用契約の更新拒否)にあたり、一定の場合には、解雇をする際と同様の厳しい規制がなされるからです(労働契約法19条)。
したがって、雇止めについても、解雇と同様、慎重な検討が必要となります。
問題社員対応
以上により、問題社員対応には法律・政令・裁判例等の専門知識と、紛争対応の実務的な経験の双方が求められます。
弊所はその双方を有しておりますので、問題社員対応の際には一度ご相談ください。
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保有資格弁護士(神奈川県弁護士会所属・登録番号:57708)
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