監修弁護士 伊東 香織弁護士法人ALG&Associates 横浜法律事務所 所長 弁護士
会社を経営していくでは様々な法的なリスクに直面する可能性があります。企業の労働問題に強い弁護士に相談をすることで、法的リスクによるトラブルを事前に予防したり、トラブルが発生してしまった場合に会社に生じる損害が可能な限り少なくなるように対応することができます。本記事では労務トラブルに強い弁護士の探し方や選び方を解説します。
目次
企業が直面しやすい労働問題やトラブルの事例
企業が直面しやすい労働問題やトラブルとしては、残業代や未払賃金等の給与の支払いに関するもの、不当解雇や退職勧奨に伴う労働契約の終了に関するもの、パラハラやセクハラなどのハラスメント対応に関するものなどが挙げられます。
労務問題への対応を誤った場合に会社が被るリスク
労務問題への対応を誤った場合、残業代や未払賃金の支払い・損害賠償金の支払いを要することになり、事案によっては何百万円という支払額になることもありえます。
このような金銭的な負担以外にも、労務問題への適切な対応を欠くことにより、当事者の従業員以外に離職が波及してしまったり、企業のレピュテーションに悪影響が生じたりすることがあるほか、労働基準監督署からの処分・指導を受けてしまう可能性もあります。
労働問題を弁護士に相談する7つのメリット
様々な法的なリスクを避けることが必要なことは当然ではありますが、労働問題について弁護士に相談することでどのようなメリットがあるのかについて具体例を説明します。
①適切な法的アドバイスを受けることができる
労働問題には、労働基準法を中心とした労働法規のほか、業態によっては個別の法律を遵守した会社経営が求められることになりますので、事前に法的トラブル予防したり、発生したトラブルを適切に解決したりするためには法的な知識が必要となります。
労働問題について弁護士に相談することで適切な法的な法的なアドバイスを受けることができるメリットがあります。
②被害を防止/最小限に抑えることができる
法的トラブルは事前に予防できるに越したことはありませんが、会社を運営するうえでは労働問題と一切無縁ということは極めて難しいといえます。そのような中で、発生したトラブルに対して、弁護士に相談をすることによって、被害を防止したり、最小限に抑えたりすることができるメリットがあります。
③全面的に窓口となり心強い交渉をしてもらえる
労働問題に限らない点ではありますが、弁護士を依頼することでトラブルの窓口を弁護士に依頼することができるようになります。
企業において、トラブルに対応することになる現場当事者にとっては、相手方となる労働者と対峙するだけでも様々な苦労やストレスを付き合わざるを得ません。労働問題を弁護士に相談することで、弁護士に全面的に窓口を任せて交渉をしてもらうことができるメリットがあります。
④労働審判や訴訟に発展した場合にも対応してもらえる
労働問題に対応する際、法的手続きではなく、交渉で解決をすることも多いですが、事案によっては労働審判や訴訟といった法的手続きに発展することがあります。法的手続きに発展した場合には、裁判官に対して、必要な主張や証拠を提出していく必要があります。
弁護士に相談をすることで法的手続きに適切な対応をしてもらうことができるだけでなく、必要な準備を弁護士に任せることができるメリットがあります。
⑤弁護士に全てを任せられるため本業に専念できる
会社を運営して利益を上げていくうえでは、法的なトラブルについて検討することは余分な作業ともいえるものです。労働問題を弁護士に相談することで、トラブルへの対応は弁護士に任せ、本業に専念することができるメリットがあります。
⑥今後の労働問題・トラブルの対策ができる
弁護士に相談することは厳に発生しているトラブルに対処するという意味でも効果的ですが、将来的に生じうる労働問題への対策ができるというメリットもあります。例えば、残業代の請求がされた際に、弁護士に相談して適切な対応をすることで、今後、同様に残業代の請求がされて困ることがないような体制を作ることにつながります。
⑦労働法関連の法改正にも対応できる
労働基準法を中心とした労働法規、その他労働問題に関連する各種法律は、社会情勢等に合わせて、法改正がされていくことになります。
会社にとって、法改正がされたことや法改正の内容を正確に把握して労務管理に反映させることは簡単ではありません。労働問題を弁護士に相談することで法改正への対応を含めた助言を得ることができるメリットがあります。
企業の労務問題やトラブルに強い弁護士の探し方
既に顧問契約をしている弁護士がいる会社は別として、これから労働問題を相談する弁護士を探したいという会社にとってはどのように探すのがよいのかは重要何点となります。以下では、労働問題に強い弁護士に探し方について説明をします。
インターネット検索で探す
昔と比べて、ホームページを作成している弁護士事務所も増えていますので、インターネット検索で弁護士を探すことが考えられます。インターネットで弁護士を探す際には、労働法務、特に使用者側の対応に特化して取り扱いをしている事務所を選ぶのがよいといえます。
ポータルサイトから探す
インターネット上には、取り扱い分野ごとに弁護士を検索できるポータルサイトが存在します。ポータルサイトでは地域ごとに弁護士を検索したりすることもできるため、会社の所在地に近い弁護士を探しやすいといえます。
友人・知人・弁護士会などから紹介してもらう
紹介してくれる相手方がいる必要がありますので、いつでも使うことのできる選択肢ではありませんが、友人や知人から信頼できる弁護士を紹介してもらえれば、安心して任せることができる弁護士を探しやすいといえます。
また、弁護士会からの紹介を受けるという選択肢もあり、友人や知人からの紹介の手がないときには有用ですが、紹介を受ける弁護士がどんな人物かが分かりにくい点があるかもしれません。
法律事務所の無料相談を活用する
法律事務所によっては無料相談を実施している事務所もあります。弁護士を探すうえではまずは無料相談に行ってみて、実際に弁護士と話をして依頼をするのかどうか検討するという方法もあります。実際に会ってから決めることができる点で弁護士の人となりなども見て決めることができるメリットがあります。
労働問題に強い弁護士の選び方のポイント
弁護士にも取り扱い分野や得意分野がありますので、労働問題について相談をしたいのであれば、労働問題に強い弁護士を選ぶポイントを知っておく必要があります。
労働問題の知識・解決実績が豊富
労働問題には、分野特有のルールなどもありますので、労働問題の知識や解決実績が豊富な弁護士に相談をしないと適切な対応ができないことがあります。
企業側のサポートに特化している
労働問題は、労働者側と使用者側で問題に対処する考え方が異なってきたりもしますので、労働問題を取り扱っているだけではなく、企業側のサポートに特化した弁護士に相談をすることが重要といえます。
労働問題の専門チームがある
弁護士事務所の多くは弁護士1人で運営されていますが、労働問題は、事案によっては大量の資料を読み解く必要があったり、当事者が多数に及んだりする場合もあります。そのような場合に適切な対応をするには1人ではなくチームで臨む必要があり、労働問題の専門チームがあるとよいといえます。
説明が分かりやすい
労働問題に限りませんが、法的なトラブルは専門用語や複雑な法律の仕組みが絡むことが多いですので、説明の仕方が分かりやすい弁護士に相談をすることが重要といえます。
デメリットについても説明してくれる
法的なトラブルに対処する際には、メリットとデメリットの双方を考慮しながら検討をしなければなりません。メリットばかりが強調されて、デメリットを見落としてしまうと大きな損失を被ることがありますので、不利な事実やデメリットにもきちんと向き合ってくれる弁護士を選ぶ必要があります。
弁護士との相性
弁護士ごとに事件処理のスタンスは異なりますし、年齢や性別も当然バラバラではありますので、話をしやすい、感覚が近いといった相性の良さも弁護士選びのポイントなります。
レスポンスが早い
労働問題への適切な対応には正確な知識だけでなく、迅速な対応が必要な場合もありますし、トラブルを抱える会社にとってタイムリーに相談できる環境も重要です。そのため、レスポンスの速さも弁護士選びの基準になるといえます。
費用体系が明瞭である
弁護士に相談をしたり、依頼をする場合には弁護士費用の支払いが必要になります。事案によっては解決まで長期間を要する場合もありますし、選択しうる方法が複数ある場合もあります。そのため、どのくらいの費用がかかるかどうかが明確であることが安心して弁護士に相談するためのポイントといえます。
労務問題の解決を弁護士に依頼した場合の費用と相場
労働問題を弁護士に相談・依頼する場合には相談料、着手金、成功報酬などの費用が必要となります。
相談料は30分5000円程度が相場といえます。
着手金と成功報酬については事案によって大きく異なりますが、着手金は10〜50万円程度、成功報酬は事案の経済的利益の10〜15%になるのが相場かといえます。
その他、実費や弁護士の日当が必要になることが多いといえます。
また、弁護士によって1時間あたり2万円程度のタイムチャージ制を採用している場合もあります。
労務トラブルへの対応でお困りなら、労務問題に強い弁護士法人ALGにご相談下さい。
弁護士法人ALGでは東京本店に企業法務事業部を置いて企業側の労働問題を専門的に扱っているほか、各支店でも労働問題を数多く取り扱っています。
経験豊富を弁護士が会社の抱えている様々な労働問題に対して、わかりやすくアドバイスを行いますので、是非一度ご相談ください。
-
保有資格弁護士(神奈川県弁護士会所属・登録番号:57708)
来所・zoom相談初回1時間無料
企業側人事労務に関するご相談
- ※電話相談の場合:1時間10,000円(税込11,000円)
- ※1時間以降は30分毎に5,000円(税込5,500円)の有料相談になります。
- ※30分未満の延長でも5,000円(税込5,500円)が発生いたします。
- ※相談内容によっては有料相談となる場合があります。
- ※無断キャンセルされた場合、次回の相談料:1時間10,000円(税込み11,000円)