交通事故でむちうちの症状が出たら

交通事故でむちうちの症状が出たら

交通事故に遭った結果生じる代表的なケガの一つとして、いわゆる「むちうち」というものが挙げられます。
しかし、よくあるケガであるにもかかわらず、適切な賠償を受けることが非常に困難な症状の一つでもあります。

このページでは、交通事故の結果、むちうちとなってしまった場合に適切な賠償を受けるための情報を掲載しています。
むちうちに対する保険会社の対応や、むちうちに対する賠償額算定の仕組み等を確認し、適切な賠償額を受け取れるようにしましょう。

むちうちとは?

むちうちとは、交通事故などによって体が衝撃を受けた際、頭部が急にゆさぶられた結果、首の筋肉や神経等が傷ついた状態をいいます。もっとも、「むちうち」は正式な傷病名ではないので、医師の診断としては、「頸椎捻挫」や「外傷性頸部症候群」などと記載されることが一般的です。

むちうちの主な症状

代表的なむちうちの症状として、首の痛みが挙げられます。
しかし、むちうちの症状は首以外の部位でも発生します。
肩、背中や腕の痛み、しびれ、めまい、頭痛、吐き気、耳鳴りなど、体の様々な部位にむちうちの症状が現れることもあります。
また、上述したような症状が、事故当日にはなく、事故から数日後に発生する方もいます。
むちうちの症状に気づいた際には、病院で医師に診てもらいましょう。

むちうちの主な治療方法

むちうちの治療を受ける際に、整形外科に通院するか、整骨院(接骨院)に通院するかの選択肢があります。
整形外科に通院する場合、治療の担当をするのは医師です。
整形外科における事故後の初期段階での治療は、頸椎の固定のためのカラー、鎮痛剤の投与・処方などが行われます。
また、炎症がおさまってきた際には、温熱治療なども行われるようになります。

他方、整骨院の場合、施術を担当するのは柔道整復師です。
柔道整復師は医師ではない以上、診察、検査や手術を行うことができません。
整骨院で受けられる施術としては、手技療法(手や指で体を擦る、押す、揉む、叩く、震わす等して刺激を与える方法)、物理療法(電気、光、温熱、冷却、超音波等の物理的エネルギーを使って)などが挙げられます。

むちうちで認定される可能性のある後遺障害等級と認定基準

むちうちの後遺障害等級認定基準
後遺障害等級認定基準
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

むちうちの症状に対する治療を行ったものの、症状が残存してしまった場合、後遺障害等級の認定を受けられる可能性があります。
具体的には12級13号もしくは14級9号の認定を受けることができるかもしれません。
12級13号に該当するには、むちうちの症状について医学的に証明ができる必要があります。 症状が医学的に証明できると言えるのは、レントゲン等の画像検査や神経学的検査などで異常が発見でき、それが交通事故と因果関係のあるものであり、自覚症状の原因とも一致すること、そして今後も完治の見込みは厳しいこと等を医師が証明した場合です。
仮に、証明が難しくとも、症状が医学的に説明可能であれば14級9号の認定を受けられる可能性があります。
14級の認定を受けるには、事故後、発生している症状について適切な治療を行い、症状が連続・一貫していることを通院時に医師に残してもらうことが重要です。

むちうちで請求できる慰謝料と慰謝料相場

同じむちうちの症状を訴える被害者でも、後遺障害等級認定を受けるかどうかによって、受け取ることができる慰謝料の金額が大きく異なります。
これは、後遺障害等級認定を受けた場合に、入通院慰謝料に加え、後遺障害慰謝料が発生するからです。
さらに、入通院慰謝料も後遺障害慰謝料も、弁護士が介入するかどうかによって、慰謝料の金額が大きく変動します。

それでは、それぞれの慰謝料が、弁護士が間に入ることによってどれぐらい金額が変わるのか見てみましょう。

入通院慰謝料

入通院慰謝料は、傷害慰謝料とも呼ばれることもあり、事故によってケガをしたことや、入通院をしなければならない苦痛(精神的損害)を受けたことに対する賠償です。

むちうちで通院期間6ヶ月・実通院日数90日の場合
自賠責基準弁護士基準
77万4000円89万円

自賠責基準では、通院期間と実通院日数の2倍の小さい方に日額4300円(令和2年4月1日より前に発生した事故は日額4200円)をかけることで賠償額が求められます。

今回の例ですと、通院期間180日(6か月)と実通院日数90日の2倍のいずれも同じ180日ですので、これに4300円をかけます。その結果77万4000円の賠償額を算出できます。

他方、弁護士基準では、原則として、通院期間に応じて計算がされます。
通院期間6カ月に対応する入通院慰謝料は89万円ですので、これが賠償額となります。

今回の例では、実通院日数が確保できているので自賠責基準でもそれなりの賠償額が算出できます。
もっとも、6カ月で実通院日数90日というのは、週3,4回の高頻度での通院となり、あまり現実的ではありません。
実際は、大幅に自賠責基準の方が低い賠償額となるケースの方が多いでしょう。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、事故によって受けた症状に対する治療を行ったものの、後遺障害が残存してしまった場合に、被害者の精神的苦痛を慰藉するためのものです。

自賠責基準弁護士基準
12級13号94万円290万円
14級9号32万円110万円

入通院慰謝料とは異なり、後遺障害慰謝料は認定された後遺障害等級に応じて、慰謝料の金額が定められていますので、煩雑な計算は不要となります。
もっとも、自賠責基準では弁護士基準で受けられる賠償額の3分の1にも満たない賠償額となっています。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします
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むちうちで適正な等級認定・慰謝料請求するためのポイント

通院頻度を適切に保つ

被害者の方は、仕事をしていたり、家事・育児に時間がとられたり、多忙な方も少なくありません。
しかし、あまりにも通院日の間隔があいてしまうと、治療費の対応を保険会社から打ち切られてしまう可能性が高まります。
これは、通院が減ったのは、むちうちの痛み等の症状が緩和されたからだろう、と保険会社が考えるからです。
重要なのは、症状の程度に応じた治療を受けることです。

したがって、ほぼ毎日通院することもお勧めできません。
過剰な通院は、保険会社に対し、必要がないのに通院している可能性を強く疑わせ、治療費を打ち切られる要因となりかねないからです。

必ず整形外科を受診する

むちうちを治療するとき、整形外科ではなく、整骨院(接骨院)に通院される方がいます。
その方たちに聞くと、整骨院の方が、患部に対して施術の効果を実感できたり、営業時間が長かったりするため、通院されているそうです。
しかしながら、整形外科と異なり、整骨院の施術を担当する柔道整復師は医師ではありません。
そのため、整骨院の施術については、保険会社側から整骨院における治療の必要性が激しく争われることが多いです。

整骨院に通院したい場合であっても、必ず整形外科の許可もしくは指示に基づいて通院するようにしましょう。医師がその必要性を認めるのであれば、保険会社も治療の必要性を認めやすくなるからです。

通院中に保険会社からむちうちの治療費を打ち切られそうになったら

むちうちの場合、被害者がいくら痛いと感じていても、レントゲンやMRI画像を見ても明らかな異常が現れないことも珍しくありません。
画像上の異常が発見できない場合、被害者の訴える症状が、事故前からあった症状であったり、心因性の症状であったりすることを疑われやすい傾向があります。
また、保険会社の運用として、むちうちについては〇カ月、という運用を決めている会社もあるようです。

まだ通院を続けたいのに、保険会社から打ち切りを予告された場合、さらに治療期間が必要であることを保険会社に対して主張する必要があります。
それでもなお、打ち切られてしまった場合、通院をやめてはいけません。
症状がいつ治ったか決めるのは保険会社ではありません。
担当の医師が、被害者に対する治療が必要であると判断する限り、国民健康保険等を利用して、通院を続けることが重要です。

交通事故でむちうちになったら弁護士へご相談下さい

むちうちは、被害者にとって深刻な症状です。
しかしながら、多くのむちうちの症状を訴える交通事故被害者が、適切に賠償を受けられていなかったり、治療費を打ち切られて受けるべき治療をあきらめてしまったりしています。

もし、保険会社の対応に疑問を感じたり、適切な賠償を提示されていないと感じたりした場合には、ぜひ、弊所にご相談ください。
むちうち事案を多数取り扱う弁護士が、あなたが受けるべき適切な賠償額がどの程度かといった見通しのみならず、様々な点で依頼者一人一人の状況に応じたサポートを提供いたします。

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この記事の監修

横浜法律事務所 所長 弁護士 沖田 翼
弁護士法人ALG&Associates 横浜法律事務所 所長弁護士 沖田 翼
神奈川県弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。
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