親族が使い込んだ使途不明金を返還させた事例

親族が使い込んだ使途不明金を返還させた事例

相続財産:
預貯金
依頼者の被相続人との関係:
孫(代襲相続人)
相続人:
依頼者及びその弟
争点:
相手方が被相続人の預貯金が使用したことが不法行為又は不当利得に該当するかどうか
弁護士法人ALGに依頼した結果
使途不明金 返還なし 200万円の回収

事案の概要

被相続人の相続人は、依頼者とその弟です。被相続人の死亡後、遺産分割を行ったものの、被相続人の近所には住んでおり、被相続人の通帳を管理していた叔父に通帳の開示を求めたところ、被相続人の生前から死亡後数カ月にかけて多額の預貯金の引き出しがされていることが判明しました。

そのため、依頼者は、叔父に対して、使途の説明と預貯金の返還を求めましたが、被相続人は生前、宗教活動を行っており、預貯金は宗教団体へのお布施等に使ったものであり、死亡後に引き出した分も被相続人の意向に従って使用したものであるから返金にも応じられないとの回答でした。
依頼者は、被相続人は宗教にのめり込んでいるような話は聞いたことがなく、叔父が自身が行っている宗教活動に被相続人の預金を使用したものではないかと考え、弁護士法人ALG&Associates 横浜法律事務所に相談に来られました。

弁護方針・弁護士対応

弁護士介入後、相手方へ交渉を持ち掛けましたが、ゼロ回答に終始したため、訴訟提起を行うことになりました。
弁護士の方から、被相続人が宗教活動を行っていた事実はないことを指摘していくと、相手方の主張の矛盾点が顕在化してきました。
しかし、当方側依頼者が遠方で暮らしていたこともあり、被相続人の生前の状況について、客観的証拠を十分に獲得することは難しい問題もあり、裁判官の心証も聞きながら、和解での解決も視野に入れ、相手方との交渉も継続していきました。

弁護士法人ALG&Associates

横浜法律事務所・相続案件担当弁護士の活動及び解決結果

相手方は、引き出した預金はすべて使ってしまっており、現在は年金暮らしの身であるから、そもそも返金に応じることは現実的に不可能であると反論してきたこともあり、依頼者との間で実際の回収可能性も考慮し、使用された預金額に及ばないものの、200万円を分割で支払う内容で和解しての解決となりました。
相続財産からの使途不明金は、相続人や親族間で頻発するトラブルであり、本件は、使用された額全額の回収とはなりませんでしたが、回収の可能性も考慮したうえで一定の成果を得た案件となりました。

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相続財産:
土地3筆(固定資産評価額合計約1200万円)
建物2棟(固定資産評価額合計約300万円)
預貯金約350万円
依頼者の被相続人との関係:
相続人:
依頼者
争点:
分割の方法
弁護士法人ALGに依頼した結果
 弟/土地と建物
姉/預貯金
弟/土地1つ、建物2つ、預貯金50万円
姉/土地2つ、預貯金300万円
価値的に平等の割合で解決

事案の概要

土地3筆の上に、建物が2棟またがるように立っており、弟はその建物1棟で、家業を継いでいました。そのため、実際に土地及び建物を使用しているのは弟であり、姉である依頼者はまったく不動産には関知していないという状況でした。そして、弟としては、被相続人が生前不動産は全て弟に譲るということを口頭で言っていたという認識であり、また、実際に使用しているのは弟であるし、さらに、不動産が共有になってしまうのは避けたいということで、不動産を全て弟が取得するといって譲りませんでした。依頼者としては、原則通り半分ずつの割合で、遺産を取得したいという相談でした。

弁護方針・弁護士対応

遺言書がない以上、依頼者が不動産を全て弟に譲るということをする必要はありません。そのため、価値として平等の割合になるように、様々な方法で弟に提案を行いました。しかし、どの方法をとっても、不動産の名義について、依頼者の名義が含まれるようになることは避けられないことが問題となりました。その点で弟が強い反発を示し、交渉は難航しました。一方、調停、審判に移行することもためらわれる事情がありました。
そこで、交渉での解決を模索しました。
様々な交渉をする中で、弟は、不動産の名義に姉が含まれると、全体として価値が落ちたり、自由に売れなくなったり、土地や建物の使用料を姉に支払い続けなければならないということを危惧していることがわかりました。一方、依頼者としては、遺産を平等に取得できるのであれば、売るときには一緒に売るし、使用料ももらう意思はないという意志でした。そこで、相手の危惧は回避できるということを伝えたうえで、具体的な分割案や合意案を提示していきました。

弁護士法人ALG&Associates

横浜法律事務所・相続案件担当弁護士の活動及び解決結果

結果としては、不動産の名義を姉も取得する形で、価値的には平等で遺産分割ができました。そして、その前提として、売却のタイミングは弟に委ねるということや、使用料を請求しないという合意を同時に行いました。
このように、不動産をめぐる案件は単純に解決できない場合もありますが、相手方の危惧や要望をうまくくみ取ることで、膠着状態にあった交渉が進み、結果として円満に遺産分割が成立することがあります。それも、厳密に裁判所で判断される場合よりも、有利に終わった可能性もあるため、リスクを回避しながら、良い形で調整ができた事案です。

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